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[第11話]
「警視総監が危ない!」06/25放送
絵里子(天海祐希)、真実(戸田恵梨香)、山村(温水洋一)、花形(溝端淳平)は、警視総監(津川雅彦)が出席している式典会場へと急いだ。
絵里子は携帯電話で野立(竹野内豊)にも連絡をするが、その時、爆弾が炸裂した。
警視総監は無事だが、会場はパニック状態のようだった。
警視総監には野立が付き添い、会場の脱出を図る。しかし、野立と警視総監を乗せた車を運転していたのは、今回の首謀者で黒い月のメンバー・高倉龍平(反町隆史)だった。
絵里子が式場に到着したとき、警視総監を乗せた車が式場を出るところが見えた。絵里子に気づいた野立は、顎を手で擦る仕草を見せる。その顔は、かすかに笑っていたように見えた。
「野立――」。絵里子は、緊急配備をしている警察に、警視総監と野立を乗せた車の追尾を指示する。
警視総監の乗った車を追跡する一台のバイクがいた。5年前、反政府テロ組織“黒い月”によって法務大臣を狙った爆弾テロの罪をかぶせられ、爆弾テロの犯人として投獄された、池上健吾(石垣佑磨)だった。
健吾の追跡に気づいた高倉は、建吾の頭を拳銃で撃った。
その頃、警視庁では丹波(光石研)が「反政府テロ組織“黒い月”によって警視総監と野立が誘拐された」と、警視庁幹部に報告をしていた。
対策室に戻った絵里子は、片桐(玉山鉄二)から「小野田(塩見三省)が何者かに刺され、意識不明の重体に陥っている」と報告を受ける。
小野田は、警視庁の“裏金汚職の証拠”をつかんだため、命を狙われたのだ。
裏金汚職や、“黒い月”の件に、野立が関わっているかもしれない。戸惑いを隠せない花形、山村、木元、岩井(ケンドーコバヤシ)…。
行き詰まる緊迫感が漂うなか、片桐は、野立から貰った『野立会』という合コンチケットの裏に何か書かれていることに気づいた。
片桐が絵里子を見ると、絵里子は黙って頷いた…。
一方、高倉に撃たれた建吾は銃弾がヘルメットに当たったことで、辛うじて軽症で済んでいた。
絵里子は入院している建吾を見舞う。絵里子は建吾に「警察に任せるよう」強く指示した。
絵里子は「司令部からの情報を得るため、屋田(相島一之)に協力してもらうことにした」と特別対策室のメンバーに話した。
野立が裏金汚職に関わっていること、汚職問題を隠蔽するために警視総監を殺害したいと考えていること、そのために野立は「黒い月」と手を組んだこと、などを、絵里子は屋田に明かした。そして、野立逮捕のため、屋田に協力をしてほしいとお願いする。
絵里子は、「野立が“黒い月”とつながっていることを極秘にしてほしい」と話した。今は、野立の作戦に乗るふりをして、その裏をかくのが一番。そう、奥屋に進言する。
奥屋は、絵里子の作戦を了承し、今後、野立のかわりに自分が対策室の責任者として指揮すると宣言した。
警視庁司令部に、高倉(反町隆史)から連絡が入った。
高倉は、警視総監、野立の2名を解放するかわりに服役中の「黒い月」の最高幹部3名を釈放するよう要求した。
そんななか、都内のある変電所で、高倉が仕掛けたと思われる爆弾が発見される。
爆弾処理班が現場に急行するも、今までに見たことがない時限爆弾で解除方法がわからない。
科捜研・玲子(吉瀬美智子)は、この爆弾は燃料気化爆弾で、日本には解除できる人はいないと言う。
それを聞いた絵里子は、現在、服役中の野垣(武田鉄矢)のことを思い出していた。
絵里子は野垣に「爆弾解体に協力してほしい」と、頭を下げた。
絵里子は野垣のプライドを上手に刺激して爆弾の解除に応じさせる。
野垣は、解除の最後の段階で絵里子に嘘の指示を出した。しかし、絵里子は野垣の嘘を見破り、無事に爆弾は無事解除される。
その後、高倉から絵里子に連絡が入り、高倉は絵里子を運転手に指名してきた。
絵里子は、護送するメンバーに木元を選ぶ。そしてもう一人、屋田にお願いした。
――人質交換前日。
絵里子は入院している池上健吾と会って、これまでの経緯を報告していた。
―−人質交換の前夜。
絵里子は、屋田に「池上健吾が病院を抜け出したこと」と報告する。さらに、人質交換の話をしてしまったことも打ち明けた。屋田は、交渉が妨害されないようにと、絵里子に指示をした。
――人質交換の当日。
絵里子、屋田、木元は刑務所へ向かうと、釈放された幹部3名を車に乗せ、高倉が指定してきた“西多摩の倉庫”へ向かった。
指定された巨大倉庫には、高倉と部下がいた。いよいよ人質の交換だ。
高倉は、近寄ってくる幹部3人をその場で射殺する。
さらに野立も警視総監の胸を撃ちぬいた。
よろめく大山に絵里子、屋田、木本が駆け寄り、車の陰に隠れる。絵里子が警視総監の頚動脈に触れて脈を確認するが、確認できない。絵里子が警視総監の死亡を屋田に告げ、「救急車を呼ぶ」と言うと、屋田は「逃げた野立を追う」と言って、その場を離れた。
一方、高倉と部下は倉庫の外へ向かっていた。停めてあった車に乗り込もうとするが、そばを池上健吾のバイクが走り去るのが見た高倉は、「車に爆弾が仕掛けられている」と判断。
パトカーを奪い、逃走した。
その頃、絵里子は野立を追い詰めていた。
「野立!」。
絵里子の叫びに、物陰に隠れていた野立が出て来る。
野立が銃口を絵里子に向けた瞬間、絵里子の銃弾が野立の胸を貫いた。
呻き声を上げながら、その場に倒れこむ野立―-。
野立の元に駆けつける絵里子。その後を、屋田、木元が追った。
「本当に野立が裏金汚職の犯人なのか」屋田は絵里子に問うが、絵里子は「今となってはどうでもいい」と言い、悲しみを抑えながら、木元と共にその場を立ち去った。
ひとりきりになった屋田。野立の側にかがこみ、野立に手を合わせた。
「みじめな最後だな――」。屋田はポケットからフラッシュメモリーを取り出し、それを野立のズボンのポケットに入れた――。
なんと、そこに絵里子が戻ってきたのだ!絵里子は、屋田を追及する。
「もういいよ」絵里子が声をかけると、なんと、死んだはずの野立が起き上がった。そしてズボンのポケットからフラッシュメモリーを取り出して見せた。
さらに絵里子が木元に声をかけると、木元はビデオカメラを持って現れた。
屋田の行動の一部始終を、ビデオカメラに録画していたのだ。
さらに、死んだはずの警視総監がスキップしながらやってくる。
全ては、大芝居だったのだ!
野立は、あらかじめ警視総監の胸ポケットに金属製の名刺入れを仕込んでおいて、それを銃弾で撃った。野立は拳銃の名手。銃弾は見事に名刺入れに命中、弾はそこで止まっていた。
全てを聞いた屋田は、呆然とするしかなかった――。
その頃、高倉と部下は、片桐たちによって確保されていた。
池上健吾だと思っていたバイクは、花形が運転していたのだ。
絵里子が異常事態に気づいたのは、警視総監が拉致された式典会場の前で走り去る車を見たときだという。
車内から、野立が絵里子に向かって、危険を知らせるサインを送っていたのだ。
昔、絵里子と野立がバディを組んでいたときに2人で決めていたサイン――野立が顎を撫でたのは“危険発生”。ニヤついていたのは“相当ヤバイ”だった。
それに対して、絵里子は親指で顎を撫でた。それは、“了解”という意味だった。
一方、野立は、片桐から“警視庁裏金汚職事件”の話を打ち明けられる前から極秘で“裏金汚職”について捜査をしていた。しかし、野立の部屋には盗聴器が仕掛けられていたために、野立は、裏にメッセージを書いた“野立会のチケット”を片桐に渡したのだ。
片桐がそれに気づき、裏金事件について調べるものの、確固とした証拠が得られなかった。
さらに、木本に“特別対策室”を調べさせると、対策室にも盗聴器が発見される。
野立の部屋と対策室の2カ所に盗聴器を仕掛けられる上層部の人間―-それは屋田だけだ。
しかし、物的証拠がない。
そこで絵里子は、野立が死ねば、屋田は何らかの行動を起こすだろうと、野立に「撃たれて死ぬふりをするよう」指示したのだ。
こうして、屋田も逮捕され、事件は全て解決した。
――その後。
絵里子の再び海外への渡航を決める。
そんな絵里子の携帯電話に、恋人・池上浩(丸山智己)から電話があった。
池上は、弟・健吾の無実を証明してくれた礼を言う。そして、絵里子に海外渡航の滞在期間を尋ねた。
絵里子は「わからない」と答え、「今度こそ、待っていてくれなくていいよ」と言った。
対策室のメンバーは相変わらず事件捜査に追われていた。絵里子がいないことを、寂しく思うメンバーたち――。
その頃、絵里子は海外渡航のために空港にいた。出国手続きをしようとしたとき、絵里子の携帯電話に連絡が入る――。
《終》
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第1話
キャスト
大澤絵里子 / 天海祐希(あまみゆうき)警視庁捜査一課特別犯罪対策室の室長を務める女性。
大学法学部を卒業後、警察庁に入庁しキャリアの道をひたすら歩んでいた。
その後、順調に35歳で警視長まで出世したものの、突然アメリカへの留学を決意。
左遷とも噂されたが、なぜこのタイミングで海外行きなのか詳細は現在も謎のままである。
5年間FBIでプロファイリングなどさまざまな技術を学んだ後に帰国。
現在は海外で身につけた力を元に犯罪にあたっている。
こんな万能な彼女でも極度のオンチという欠点もあり。
野立信次郎 / 竹野内豊(たけのうちゆたか)
警察庁の中枢に身を置くキャリア官僚で、役職は参事官補佐。
最年少昇進記録を次々に更新しながら出世しているエリート中のエリート。
その頭脳と手腕は上層部からも一目置かれる逸材である。
同期の絵里子のよき理解者である。
木元真実 / 戸田恵梨香(とだえりか)
警視庁捜査一課特別犯罪対策室の刑事で、絵里子の部下として働いている。
科学捜査班出身という情報収集のスペシャリスト。
学生時代から“恋”よりも“科学”を選んできた変わり者。
最初は夢だった警察庁の科学警察研究所に入庁したものの、
毎回の寝坊が原因で特別犯罪対策室に異動となった。
花形一平 / 溝端淳平(みぞばたじゅんぺい)
警視庁捜査一課特別犯罪対策室所属の刑事で、絵里子の部下。
警ら巡査から引き抜かれてこの部署にやってきた。
子供のころから強い正義感にかわれ警官になったが、
交番勤務のときに見たドラマ『24』を見て刑事を目指し、昇進試験を受けた。
性格は何事もあきらめることが嫌いな熱血刑事タイプ。
ガッツがあり素直なのだが、天然な要素も持ち合わせている。
片桐琢磨 / 玉山鉄二(たまやまてつじ)
警視庁捜査一課特別犯罪対策室の刑事で、絵里子の部下。
必要以上に熱くなることがなく、クールでスマートのオトナな刑事。
どの分野にも精通した実力の持ち主で、女性警官からの人気もピカイチ。
しかし、ある事件をきっかけに警察組織を信じられなくなっており、
現在は、定時で帰宅するやる気のない刑事に成り下がってしまった。
奈良橋玲子 / 吉瀬美智子(きちせみちこ)
科学捜査研究所所属の美人鑑識官。
死体検証のプロ中のプロで、チームにとっては貴重な存在。
美人なのになぜか独身のため、男性からの絶大な人気を集めている。
本人も恋愛に積極的で、複数の男性とデートを重ねるが、恋が成就したことない。
何がいけないのか…。
どうやら本人には思い当たる節があるようで・・・。
山村啓輔 / 温水洋一(ぬくみずよういち)
警視庁捜査一課特別犯罪対策室に所属する刑事で、絵里子の部下。
チーム内では「落としの山さん」の異名を取る大ベテラン。
普段は普通のおじさんらしくいつもヘラヘラしているが、本人いわくそれは相手を油断させる為の演技だという。
果たして本当にそんな意味があるか、ないのか。
ある意味謎の多い男である。
岩井善治 / ケンドーコバヤシ(けんどーこばやし)
警視庁捜査一課特別犯罪対策室に所属する刑事で、絵里子の部下。
柔道三段、剣道四段と格闘技術に優れる肉体派刑事。
かつて警視庁の暴力団対策課に所属していたこともあって、ケンカっ早い性格が欠点。
今回この対策室への移動もその性格から問題を起こしてのことだとか。
堂々と男の尻を触ったりするので“善治はゲイ”との疑惑もある。
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